Amazonで商品を見るセール会場へ

『マンガでわかる最強の株入門』レビュー|2017年の本の注意点

※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます

安恒理さんの『マンガでわかる最強の株入門』(新星出版社、2017年5月)を、読むかどうか決めたい人に向けてレビューします。

結論は、株の言葉と売り買いの流れ、チャートの読み方を初めて学ぶ人の入り口になる本です。

ただし2017年の本なので、NISA・売買単位・取引時間・税金の4つは、今の制度に読み替えてください。

当方で本文を数えた分量と、公式のページで確かめた今の制度をもとに書きました。

本向く人学べること出版年分量
この本(安恒理)株の言葉を初めて学ぶ人売り買いの仕組み、会社の数字、チャートの読み方2017年5月約5.6万字(約1時間52分)
ほったらかし投資術(山崎元・水瀬ケンイチ)つみたてで長く増やしたい人口座と商品の選び方、続け方2022年3月約9.6万字(約3時間12分)
新NISAで始める!…(配当太郎)配当を目当てに株を持ちたい人増配で配当を増やす考え方2024年5月約8.2万字(約2時間44分)
この本と、同じく株や投資を始める人向けの本。分量は電子版の本文を当方で数えた文字数で、読む時間は1分500字で計算

先に本のページを見たい人は、こちらからどうぞ。

この本のKindle版(Amazon)

目次

『マンガでわかる最強の株入門』は株の言葉と売り買いの流れを学ぶ入門書

この本は、株を始めたばかりの主人公が、SNSで知り合った先輩に教わるマンガと解説でできています。

1話ごとにマンガがあり、その後に図と文章の解説が続く形でした。

この本で学べる4つのこと

本文を確かめると、扱う話題は大きく4つに分かれました。

  • 口座の開き方や注文の出し方、板(売りと買いの注文の一覧)の見方など、売り買いの仕組み
  • 決算短信やPER・PBR・ROEなど、会社の数字から株価の高い安いを見る考え方
  • ローソク足や移動平均線など、チャートから売り買いの時期を探る考え方
  • 信用取引の仕組みとリスク、損切りや分散など、損を抑える考え方

PERは、株価が1株あたりの利益のなん倍かを示す数字です。

指標の求め方や、売り買いの合図の詳しい条件は、本で確かめてください。

この本の読み進め方

初めての人に合うのは、つまずいたところに戻りやすい、次の順の読み方です。

  1. マンガのページを先に通して読み、話の流れと言葉のイメージをつかむ
  2. わからない語は、本文の下の用語の注と、巻末の索引で引く
  3. NISAや株数が出てくるところは、この記事の表で今の制度に読み替える
  4. 口座がある人は、証券会社の注文画面を開き、板と注文の種類(成行・指値)を本の説明と比べる

最後の手順で、本の図と画面の項目の違いを先に知っておけば、注文の間違いを減らせます。

当方で数えた分量と、話題の割り振り

電子版の本文は約5.6万字で、1分500字で読むと約1時間52分かかります。

226ページのうち76ページ(約34%)は、文字がほとんどないマンガや図のページでした。

話題本文に占める割合
チャートの読み方28.0%
会社の数字の見方18.4%
口座と注文の仕組み13.5%
景気の動きの見方12.7%
売り買いの考え方と注意10.9%
信用取引9.9%
最初の特集(基本・優待・NISA)6.5%
当方で本文の文字数を数えた割合(空白と記号は除く)。話題の名前は当方の言い換え

いちばん多いのはチャートの読み方で、本文の3割近くを占めます。

反対に、本文で「インデックス」という語は1回も出てきませんでした。

投資信託をつみたてる話も、NISAの説明のほかにはほとんどありません。

用語の注と索引で、わからない言葉を後から引ける

本文の下には用語の注があり、当方で数えると37か所ありました。

寄り付きやスイングトレードなど、初めての人がつまずく語に、短い説明がついています。

巻末には索引もあるので、読んだ後に言葉を引き直す辞書の代わりにも使える作りです。

2017年の本なので、制度は4つを今の形に読み替える

この本は2017年に出た本で、初めのページにも、そのころの情報で書いたという断り書きがあります。

その後に変わった制度を、公式のページで確かめて表にしました。

項目本の記載(2017年)今(2026年10月28日確認)
NISAの年間の枠年120万円(一般NISA)成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円
NISAの期間5年、制度は2023年まで持てる期間は無期限、制度は恒久化
NISAの年齢20歳以上原則18歳以上
ジュニアNISA2016年に始まり、年80万円2023年で終わり
売買単位100株や1000株など銘柄ごと2018年10月1日に100株へそろった
取引の終わり終わりの時刻は書いていない2024年11月5日から15時30分
税金利益に20%20%に加えて復興特別所得税
本の記載は当方が本文で確かめたもの。今の欄は、下の公式ページで確かめた

NISAは2024年から新しい制度に変わった

本の特集で取り上げているのは、2014年に始まった一般NISAです。

金融庁のページによると、2024年1月に新しいNISAが始まり、制度は恒久化しました。

本のころと違う点は、次のとおりです。

  • 生涯の上限は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円まで
  • 非課税で持てる期間は無期限
  • 売った商品の取得金額のぶんは、翌年からまた枠に使える
  • 2027年1月からは、0〜17歳もつみたて投資枠を使える

出典:金融庁「NISAを知る」(2026年10月28日確認)

枠を埋めるまでの年数を、月ごとの金額別に試算した記事もあります。

→ 関連:新NISA1800万円は何年で埋まるか|月10万で15年、月5万で30年

売買単位は100株、取引の終わりは15時30分

本では、銘柄によって100株や1000株など、買える最低の株数が違うと説明しています。

日本取引所グループのページでは、2018年10月1日に国内の株の売買単位が100株にそろいました。

東京証券取引所も、2024年11月5日から取引の終わりを15時から15時30分に延ばしています。

本の例にある株数と金額の計算は、今の100株の単位で読み替えてください。

出典:日本取引所グループ「売買単位の統一」/東京証券取引所「取引時間の延伸」(2026年10月28日確認)

税金と手数料は、今の数字で確かめる

本は、株の利益にかかる税金を20%と説明しています。

国税庁のページでは、その内訳と、別にかかる税を次のように示しました。

税かかる額
所得税利益の15%
住民税利益の5%
復興特別所得税所得税の額の2.1%(令和29年分まで)

出典:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税」(2026年10月28日確認)

本には2017年のころのネット証券の手数料表もありますが、金額はそのころのものです。

口座を開く前に、今の手数料を各社の公式ページで比べてください。

この本が向く人と、向かない人

向く人と向かない人を分けるのは、株を買う目的がどこにあるかです。

この本が向く人

編集部は、この本が合うのは次のような人だと見ています。

  • 株の本を初めて手に取り、文字ばかりの本は続かない人
  • 口座を開いた後、注文の出し方や板の見方でつまずいている人
  • 会社の数字とチャートの両方を、ひととおり知っておきたい人

用語の注と索引があるので、わからない言葉をそのつど引きながら読めます。

とくに、ローソク足や移動平均線を初めて見る人には、図の多いこの本の形がよく合うでしょう。

向かない人と、そのときの代わり

反対に、次のような人には、別の本や記事のほうが合います。

こんな人この本が合わないわけ代わり
つみたてで長く増やしたいインデックス投資の話がほぼないほったらかし投資術
配当を目当てにしたい配当は、利益を得る方法の1つとして短く触れるだけ配当太郎さんの本
今の制度で計画を立てたいNISAの説明が2017年のまま金融庁のページと当サイトの試算

インデックス投資で世界の株と米国の株のどちらを持つかは、当方が円建て36年のデータで確かめました。

→ 関連:オルカンかS&P500か|円建て36年のデータで検証した結果

配当を受け取る組み方の例を先にみたい人には、数字つきの記事があります。

→ 関連:高配当株ポートフォリオ21銘柄|1,900万円で月4.8万円の配当を作る構成

読む前に知っておきたい3つの注意点と対処

編集部は、この本の弱い点を、強い言い方と、短い売り買いに寄った中身の2つだと見ています。

書名や見出しの強い言い方は、そのまま受け取らない

書名や見出しには、大きな目標を掲げる強い言葉が並びます。

いっぽうで著者は、巻末の「おわりに」で、知識を身につけただけでうまくいくとはかぎらないと書きました。

負けも含めた全体で考えることや、実際の売り買いを重ねて自分のやり方を作ることにも触れています。

対処として、見出しは話題の目印として読み、説明と注意書きを先に読むのが安全です。

信用取引の章は、仕組みとリスクをセットで読む

信用取引は、証券会社に預けたお金を担保に、手元のお金より大きな額を売り買いする仕組みです。

本では、手元のお金のおよそ3倍まで取引できる点と、追加の保証金(追証)のリスクを並べて説明しています。

利益が膨らむのと同じ形で、損失も膨らみます。

今の保証金の条件や手数料は、口座を開く証券会社の説明書面で確かめてください。

本の例は2017年のころのもので、成績は当方で確かめていない

本には実在する会社のチャートや決算の例が出てきますが、どれもそのころのものです。

マンガの登場人物の売り買いは物語で、本の成功例も当方では検証していません。

読むときは、次の3つを手元に置いておくと迷いにくくなります。

  • 制度と数字は、2017年に出た本だという前提で読む
  • 売り買いの合図は、試す前にほかの本や公式の資料と比べる
  • 信用取引は、仕組みを知る段階にとどめ、使うかどうかは別に決める

例は銘柄選びの答えではなく、考え方の練習として読むのがよいと編集部は考えます。

まとめ|次にやること

  • 株の言葉と売り買いの流れを初めて学ぶ人の、入り口になる本(2017年5月、約5.6万字)
  • 本文の3割近くはチャートの読み方で、インデックス投資の話はほぼない
  • NISA・売買単位・取引時間・税金は、今の制度に読み替える
  • 信用取引の章は、仕組みとリスクをセットで読む

次にやることは3つです。

  1. 株を買う目的を、つみたて・配当・短い売り買いのどれかに決める
  2. 金融庁のページで、新しいNISAの枠と年齢の条件を確かめる
  3. 言葉から学ぶなら、この本を読み、制度のところはこの記事の表で読み替える

株の言葉とチャートの読み方を、マンガから学びたい人はこちら。

この本のKindle版(Amazon)

この記事は書籍の紹介で、特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。

投資の判断はご自身の責任でお願いします。

制度の内容は、2026年10月28日に公式のページで確かめた時点のものです。

目次